おじいちゃんとおじさんしかいない『大竹まこと ゴールデンラジオ』木曜日がいま、熱い。
ラジオが好きだということは以前書いた。いま個人的に熱いのが先日放送20年目に突入した『大竹まこと ゴールデンラジオ』だ。中でも木曜の放送が熱い。
パートナーはジャーナリストで物書きの青木理。愛聴してるSessionでもお馴染みだ。出ていることは知っていたがパートナーと知ったのは最近のこと。ポッドキャストのコラムコーナーから入ってオープニングから聴くようになっていた。正直、いま毎週聴いているラジオ番組でもかなり楽しみにしている番組になりつつある。
おじいちゃんの余生とジャーナリストの日常
掛け合いが、なんともいい。大竹まことが話している間、青木理は「うん、うんー。うん」とずっとうんうん言っている。個人的にかなり好き。デイキャッチ時代をあまり覚えていないのだけど、Sessionでは出演時間が限られているのと毎回話す内容が固まっているのであまりそのような印象はなかった。
番組の特性自体も全く異なる。ニュース主体のSessionではなく、ゴールデンラジオは昼の帯番組だ。情報番組であり、その中でニュースも取り扱う。くらいのバランスだと思う。
大竹まことはおじいちゃんなので先日はオープニングトークで「さくらんぼのさ、味とかじゃないんだよ。色がさ、キレイなんだよなあ」などと言っていた。完全な余生である。それに対する返しが「大竹さん、本当におじいちゃんですね」といった具合で、打っていてなにが面白いのか全くわからない。情報性ゼロの会話である。しかし、それを大竹まことと青木理がしていることが、正直たまらない。
スタジオ内の男女比を意識的に均等にしがちな昨今において、メインパーソナリティがシニア男性2人である。スタジオにいる文化放送の砂山圭大郎アナウンサーすら50オーバー。ベテランおじいちゃんと若手おじいちゃんとおじさんしかいない。ひとまわりもふたまわりも若い女性をパートナーに話すよりも健全に聴こえる部分がないわけでもない。ここら辺の感覚は難しい。ゴールデンラジオは大竹まことのキャラクターもあり、他の曜日の女性パートナーはいい意味で大竹まことを舐めてるし、大竹まことも意図してそうさせている部分もあると感じる。そこらへんのストレスはかなり低く、聴きやすい。
青木理については当たり前だがニュースを語るひと。という印象がどうしても強かった。デイキャッチもSessionもニュースを語るために来ているので当たり前だ。その青木理の生活感が感じられるのもいい。
大竹まことは長野出身の青木理を「田舎者」と、青木理は少し年上の大竹まことに「僕の時代はもうバナナは贅沢品じゃなかったですけど」と、からかい合う。ベテランおじいちゃんと若手おじいちゃんのじゃれあいも微笑ましい。
しかし、ニュース、コラムコーナーとなると2人の社会への眼差しは鋭く、熱がある。当たり前だ。青木理はジャーナリストだ。
では、大竹まことは。
見たくないものを見ずに生きていける社会でどんな放送をするか
大竹まことは、政治や社会の不条理に憤り、怒り、立場の弱いひとたちに思いを寄せる。リスナーが思っているであろう(少なくとも自分は思っている)「なんかそれってさぁ、おかしくない?」をオブラートに包まずに言う。言いたい放題だが、傍若無人ではない。
最近聴くようになったので、昔からそのようなスタンスだったのかはわからない。
言い方を変えれば、社会にものを申すことができるのは、今さら揺るぎないポジションだから。究極、番組が終わったところで困ることもないだろう。それはそうだ。
しかし、それは同時に、発言しなければそれで済む。楽しい放送を徹底しようとすればできるのだ。
ではなぜ、大竹まことは怒るのか。それは、もう、面白い楽しいだけで放送するには難しい社会になっているからではないのか。
いちリスナーとしては、面白い楽しいだけの放送をするよりも、生活の中で感じる憤りを話し、社会の中の憤りを笑い話にする。それくらいのバランスで成り立っている木曜『ゴールデンラジオ』は信用できるな。と、思って聴いている。タブレット純も毎週楽しそうにしているし、タブ純と絡む大竹まことと青木理がまた楽しそうなのだ。
ずっと楽しいだけではいられないし、ずっと怒ってもいられない。それを体現しているのが木曜『ゴールデンラジオ』だと思う。
大竹まことの代わりはいない
楽しいだけじゃない大竹まことと時事問題だけじゃない青木理の放送、中身のあるコラムやニュースコーナーをポッドキャストで聴くのもいいが、個人的にはどうでもいいオープニングトークも聴いてほしい。きっと、ニュースで見る青木理じゃない青木理を知ることができる。
大竹まことはおじいちゃんだ。これから先10年後も番組が続いているかもわからない。
きっとこの先、この日本社会で大竹まことのような熱量で放送ができるパーソナリティはなかなか出てこないだろう。少なくともTBSラジオの平日昼帯にはいない。
だからこそ、いま、熱いのだ。
ちなみに他の曜日はこれまで書いたように真面目な放送をしていない。たまに時間帯的に前番組の『武田砂鉄 ラジオマガジン』のエンディングに乱入するのだが、以前77歳の大竹まことが赤ふんどしで乱入していた。

ほんとすごい。
幻冬舎plusにて連載:大竹まこと『ジジイの細道』

